IDT WinChipレポート
このページでは、Pentiumマシンの格安アップグレードパスとしてのIDT社のWinChipシリーズの動作確認レポートです。
- IDT WinChip
- IDT WinChipは、Pentiumと同じ、3.52Vまたは、3.3Vで動作するSocket7 CPUです。
(WinChip2の場合、200MHzのみ3.3Vと3.52Vのバージョンがありますが、他は全て3.52V)
これだけでも、BIOSのアップデートさえされれば、Pentiumにしか対応していないPCでもWinChipが動作するというわけです。
しかも、ゲタなどは不要であるため、非常に低コストでアップグレード出来るというのが最大のメリットです。
(まぁ、自作マシンだったら、ゲタ+CPUファン+CPUの金額もあれば、マザー+CPU(ファン付きリテールパッケージ品)が買えてしまうから魅力が薄いかも知れませんが…)
しかし、メーカー製PCなどでは、BIOSのアップデートなどは見込めませんが、それでも殆どの場合動作してしまいます。
- IDT WinChipとWinChip2の違い
- WinChipとWinChip2の違いですが、主な点は、
1.3D Now!のサポート
2.浮動小数点演算性能の向上
になります。
整数演算も向上していますが…。
Pentium-133MHzすらWinChip-200MHzは負けていますが、WinChip2-240MHzでは、Pentium-133MHzに比べ、
整数演算 1.80倍
浮動小数点演算 1.67倍
となっており、整数演算は、クロック比通り、浮動小数点演算はクロック比よりやや低めですが、WinChipに比べれば、向上していますね。
- WinChip2-Rev.A
- '99/5月頃より、WinChip2のRev.Aが供給される予定です。
Rev.Aでは、主に下記が変わります。
1.3D Now!のバグ修正
2.Super7(FSB 100MHz)サポート
3.倍率設定変更
特に問題なのが、3.の倍率設定変更です。
今までは、1.5倍設定が4倍設定となっていましたが、今後はMMX Pentium等と同じく3.5倍設定に変わります。
と言うことで、50*4=200MHzや60*4=240MHzの設定が使えなくなります。
この辺の設定で使いたい人は、早めに確保しておくと良いと思います。
個人的に言うと、Super7サポートは、今の現状でしても、誰も買わないような^^;
WinChipの良さは、単一電源と高いPentiumとの互換性であって、Super7マザーを持っていて、WinChip2なんかより劣るCPUを使っている人はごくごくわずかだと思うのですが^^;
(それに、買うとしても、K6-2等を買った方が良いでしょうし^^;)
とりあえず、66MHz*3.5=233MHzと言う設定も出てきますから、この辺は使える設定でしょう。
- IDT WinChip 導入レポート
- ここでは、実際にWinChipを使った事例を紹介します。
(注:IDTのWinChipシリーズは、1.5倍の倍率設定にすると、内部4倍の設定で動作します。WinChip2は、この1.5倍は予約となっておりますが、実際には4倍で動作します。)
- FLORA 500VC WinChipC6-200MHz
FLORA 500VCは、Pentium-75MHzのWindows3.1マシン。
100MHz動作させて、OSR2.0をインストールさせてWindows95マシンへさせている環境へWinChipC6-200MHzへ入れてみる。
電圧などの設定変更はしていません
BIOSでは、上手くCPUを認識していませんでしたが、問題なく起動。
(BIOSは、Windows95対応のBIOSへアップデート済み)
CPUidleでも、WinChipC6-200MHzで認識。
CPUファンは、FLORA DM2のPentium 133MHzの物を流用
- FLORA DM2 WinChipC6-200MHz
FLORA DM2は、Pentium-133MHz採用のWindows95(OSR1)マシン。
ファンを交換し、3倍設定に変更し、起動。
(電圧設定の変更はしていません)
問題なく動作。BIOS認識は、Pentium-166MHz。
(BIOSは、OSR2対応のBIOSへアップデート済み)
CPUidleでも問題なく認識。
- GIGA-BYTE GA-586SG WinChip2-225MHz
自作マシンで動作確認。
75MHz*3=225MHzの定格設定で問題なく動作。
電圧は、3.5V設定にして動かしました。(普段は自動設定)
次に60MHz*4(実際の設定は他マシンで実現できる1.5倍)=240MHzのオーバークロックにて起動。
これも問題なく起動。ただしBIOSでは、“at 66MHz”と認識。
多分、GIGA-BYTEのWebサイトの最新BIOSを入れれば問題なく認識するとは思うんですが…。
BIOSは、購入時から変更をしていません。
このマシンは、HDDは、オールSCSI構成ですが、Pentium-133MHzからの移行です。
Windows95(OSR2.5)が入っていますが、起動などが随分速く感じました。
(ハードディスクのカラカラ音が随分速い間隔になった気がします^^;
- FLORA DM2 WinChip2-225MHz
GIGA-BYTEマザーの自作マシンで問題なく240MHz動作したので、60MHz*1.5倍設定で、入れる。
電圧は、3.3Vと3.52Vのジャンパがあり、3.3Vになっていたので、3.52Vに変更しています。
BIOS認識は、Pentium-133MHzだが、問題なく動作。
HD Benchでも、殆どの項目で、性能アップ。
CPU性能は、クロック比より少しアップ率が低いが、FSBが1割低いことを考えれば、上々(^^)
今のところは、CPUidle 3.01を併用してずっと使っていますが、特に問題は発生していません。
CPUファンは、用意していた星野工業のWinDyが、設置できず、DM2に付いていたPentium-133MHz用の物をそのまま利用。
スペース的に、Socket7のツメにひっかけるタイプは、付近にコンデンサなどの部品が多いため、付けにくい。
CPUアップグレードの前に、ファンの選択に要注意である。
他に、FLORA DM2では、ファンの電源コネクタが、2ピンで一般的なマザーで利用される3ピン形式とは異なるため、5V/12Vの汎用の電源コネクタに接続できるケーブルが必須となるのも要注意。
FLORA 500VCにも共通する話で、FLORA 500VCの場合は、あまりにもファンが小型(最近のRIVA TNT等で使っているファンの方がよほど廃熱効率は良さそうである)で使うだに恐ろしかった(それ以前にシールか何かで付いているようで、取り外せなかった。)ので、元々のファンの流用も諦め、結局WinChip2を実験できないまま終わってしまった。
IDT WinChip使用感想
WinChipシリーズは、Socket5マザーのマシンでも動いてしまったと言うレポートもあるくらいだから、相当Pentiumとの互換性が高いと言うことが言えると思います。
IDTのロードマップは、遅れまくっており、先のことは信頼できませんが、Socket7への対応としては、266MHz(66MHz*4)対応WinChip2やL1キャッシュ128KBに倍増(現在は64KB)したWinChip3等が予定されています。
アーキテクチャを一新したWinChip4は、いつになることやら^^;
それにしても、この製品、どこかメジャーなメーカー(I/Oとかメルコ)が、15000円くらいでファン付きで販売してくれれば、非常に売れると思うのですが、何でメーカーはやらないんでしょう?
特にゲタも要らないし。
Pentium 75MHzマシンでも、FSB60MHzに変更してこのWinChip2を搭載すれば、MMX Pentium-233MHzクラスの性能になると言うのに…。
- IDT WinChip不都合レポート
-
結構Pentiumとの互換性が高いWinChipシリーズですが、WinChip2では、少々動作しないマシンのレポートが来ています。
意外とWinChipC6が動作していても、WinChip2が動作しないことがあり、油断は禁物と言う事のようですね。
- FLORA500VC WinChip2-240MHz
BIOSすら起動してくれないと言うどうしようも無い状態。
WinChipC6-200MHzが動作していただけに悔やまれる。
- FLORA Socket5-PC WinChip2-225(?)MHz
起動はするものの、WindowsNTでの起動に失敗するとのこと。
このマシンもWinChipC6-240MHzが問題なく動作しているだけに悔しい。
ただし、オーバークロック(?)なので、動かなくても文句は言えない^^;
そもそも、IDT社が、Socket7用と言い切っているのだから、それこそ、WinChipC6が動かなくてもしょうがない。
IDT WinChipベンチマーク
一部、WinChipC6-200MHz、Pentium-133MHzでのベンチマーク結果が変(Direct Draw回り)であるが、HDBENCH Ver.2.610での結果をご報告。
全ベンチとも、FLORA DM2(PC-5DM02-E83LA)を使用しています。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種 FLORA DM2
Processor IDT C6 239.8MHz [CentaurHauls family 5 model 8 step 5]
解像度 1024x768 65536色(16Bit)
Display Cirrus Logic 5446 PCI (OSR2.5標準添付ドライバ)
Memory 80,896Kbyte
OS Windows 95 4.0 (Build: 1111) C
Date 1999/ 3/25 12: 2
HDC = CMD PCI-0646 Bus Master PCI to IDE Controller
HDC = プライマリ IDE コントローラ (シングル FIFO)
HDC = セカンダリ IDE コントローラ (シングル FIFO)
A = GENERIC NEC FLOPPY DISK
C = GENERIC IDE DISK TYPE95
Q = HITACHI CDR-7930 Rev 1023
ALL 浮 整 矩 円 Text Scroll DD Read Write Memory Drive
6239 12855 14678 9006 1219 4592 43 2 3711 3814 8694 C:10MB
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種 FLORA DM2
Processor IDT C6 239.9MHz [CentaurHauls family 5 model 8 step 5]
解像度 1024x768 65536色(16Bit)
Display Cirrus Logic 5446 PCI DirectDraw/VPM (v1.00D)
Memory 80,892Kbyte
OS Windows 95 4.0 (Build: 1111) C
Date 1999/ 3/23 17: 3
HDC = CMD PCI-0646 Bus Master PCI to IDE Controller
HDC = プライマリ IDE コントローラ (シングル FIFO)
HDC = セカンダリ IDE コントローラ (シングル FIFO)
A = GENERIC NEC FLOPPY DISK
C = GENERIC IDE DISK TYPE95
Q = HITACHI CDR-7930 Rev 1023
ALL 浮 整 矩 円 Text Scroll DD Read Write Memory Drive
5832 12877 14744 5047 1357 2725 511 2 4189 5208 8928 C:10MB
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種
Processor IDT C6 240.1MHz [CentaurHauls family 5 model 8 step 5]
解像度 1024x768 65536色(16Bit)
Display Cirrus Logic 5446 PCI DirectDraw/VPM (v1.00D)
Memory 80,984Kbyte
OS Windows 95 4.0 (Build: 950)
Date 1999/ 2/ 9 23:33
HDC = Primary CMD Bus Master IDE controller
HDC = Secondary CMD Bus Master IDE controller
HDC = CMD PCI-0646 Bus Master PCI to IDE Controller
A = GENERIC NEC FLOPPY DISK
C = QUANTUM FIREBALL_TM1 Rev A6B.
D = WDC AC12 70F Rev 12.0
M = HITACHI CDR-7930 Rev 1023
ALL 浮 整 矩 円 Text Scroll DD Read Write Memory Drive
7290 13022 14895 5079 1271 2707 43 0 19616 1690 9055 C:10MB
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種
Processor IDT C6 240.2MHz [CentaurHauls family 5 model 8 step 5]
解像度 1024x768 65536色(16Bit)
Display Cirrus Logic 5446 PCI DirectDraw/VPM (v1.00D)
Memory 80,984KByte
OS Windows 95 4.0 (Build: 950)
Date 1999/ 1/28 10:42
HDC = プライマリ IDE コントローラ (シングル FIFO)
HDC = セカンダリ IDE コントローラ (シングル FIFO)
HDC = CMD PCI-0646 Bus Master PCI to IDE Controller
A = GENERIC NEC FLOPPY DISK
C = GENERIC IDE DISK TYPE95
D = GENERIC IDE DISK TYPE95
Q = HITACHI CDR-7930 Rev 1023
ALL 浮 整 矩 円 Text Scroll DD Read Write Memory Drive
5634 12838 14745 4911 1344 2707 43 0 4250 4234 8986 C:10MB
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種
Processor Pentium 132.6MHz [GenuineIntel family 5 model 2 step C]
解像度 1024x768 65536色(16Bit)
Display Cirrus Logic 5446 PCI DirectDraw/VPM (v1.00D)
Memory 80,984KByte
OS Windows 95 4.0 (Build: 950)
Date 1999/ 1/27 9:58
HDC = プライマリ IDE コントローラ (シングル FIFO)
HDC = セカンダリ IDE コントローラ (シングル FIFO)
HDC = CMD PCI-0646 Bus Master PCI to IDE Controller
A = GENERIC NEC FLOPPY DISK
C = GENERIC IDE DISK TYPE95
D = GENERIC IDE DISK TYPE95
Q = HITACHI CDR-7930 Rev 1023
ALL 浮 整 矩 円 Text Scroll DD Read Write Memory Drive
4095 7678 8073 3475 856 2262 43 -1073741819 5215 5158 7347 C:10MB
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種
Processor IDT C6 198.9MHz [CentaurHauls family 5 model 4 step 1]
解像度 1024x768 65536色(16Bit)
Display Cirrus Logic 5446 PCI DirectDraw/VPM (v1.00D)
Memory 80,984KByte
OS Windows 95 4.0 (Build: 950)
Date 1999/ 1/21 11:28
HDC = プライマリ IDE コントローラ (シングル FIFO)
HDC = セカンダリ IDE コントローラ (シングル FIFO)
HDC = CMD PCI-0646 Bus Master PCI to IDE Controller
A = GENERIC NEC FLOPPY DISK
C = GENERIC IDE DISK TYPE95
D = GENERIC IDE DISK TYPE95
Q = HITACHI CDR-7930 Rev 1023
ALL 浮 整 矩 円 Text Scroll DD Read Write Memory Drive
4316 5711 9907 4704 1142 2603 43 -1073741819 5212 5205 6392 C:10MB
御参考になれば幸いです。
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